エンジンは回さないと調子が悪くなるって本当?寿命が伸びると勘違いしている管理方法

車のエンジンは回さないほうが
調子が良いのか?
車を大切にする人にとっては
余り高回転でエンジンを回すことは無いかもしれません。
しかし、その大切にする気持ちが
実は逆効果になりうる危険もあるのです。
本記事では、エンジンは回さないほうが調子が悪くなるのは本当なのかを解明するとともに
寿命が延びると勘違いしている管理方法なども紹介していきます。
Contents
エンジンは回さないと調子が悪くなるって本当?

結論を言えば、調子が悪くなる可能性があります。
エンジンを回さない場合はエンジン音が静かですし
燃費も良くなりやすいです。
エンジンを回さない場合は、エンジン内部のパーツの摩耗も
抑えられるというメリットもありますね。
ですが、エンジンを回さないでいると
エンジンオイルや燃料などの未燃焼成分であるカーボンが
エンジン内部にたまっていくのです。
こうしたカーボンがエンジン内部にたまってくると
カーボンが高熱になりプラグが転嫁する前に年商が始まってしまいます。
その結果、異常燃焼を起こしてしまいます。
高回転域まで軽く回らなくなる
エンジン内で燃料と空気がうまく混ざらず、燃え残りが増えてしまうと
バルブやピストンなどにカーボンデポジットと呼ばれるゴミが付着し
良好な燃焼状態が得られなくなります。
回転が低いと空気を吸い込む勢いが弱くなり
燃料と空気が混ざりにくくなるため、未燃焼のまま残る量が増えるのです。
一方で回転を上げると吸気管内を流れる空気の速度が速くなり
燃料と空気がよく混ざるので燃焼状態が改善されます。
大道芸で見かける「火吹きオトコ」を
思い出していただくとわかりやすいかもしれません。
勢いよく口からガソリンを吹き出すからこそ空気とよく混ざり
ボーッと大きな炎が出て拍手を受けられるのです。
息が弱いとガソリンがボタボタ垂れてしまい
うまく燃えずに笑われてしまいます。
エンジンが回らなくなる原因
エンジンが回らないと感じる原因の一つは
内部の慴動面、つまり部品同士が擦れ合う部分の「あたり具合」にあります。
クランクシャフトとコネクティングロッド、ピストンとシリンダーなど
回転が低いときと高いときでは触れ合う位置がわずかに変わるのです。
低回転ばかり使っていると
その回転域で擦れ合う部分にはスムーズな「あたり」がつきます。
ですが、高回転域での慴動面にはなじみができません。
いざエンジンを回そうとすると、高回転側の慴動面が十分に慣れていないため
抵抗が生まれ、結果として「回らないエンジン」になってしまいます。
とはいえ、高回転ばかり使えば各部の消耗が進み
エンジン寿命が短くなるのも事実です。
結局のところ、どんな使い方でも程よさが大切だということですね。
寿命が伸びると勘違いしている管理方法

エンジンを傷める行為が厄介なのは
すぐに壊れない点にあります。
たとえ一度や二度負荷がかかる操作をしても目立った症状が出ないため
多くのドライバーは問題に気づかないまま同じ行為を繰り返してしまうのです。
しかし内部では、確実にダメージが蓄積していきます。
金属の摩耗、オイルの劣化、カーボンの蓄積など、見えない部分で少しずつ劣化が進み
ある日突然大きなトラブルとして表面化してしまうのです。
エンジンを傷める代表的なNG行為には
次のようなものがあります。
- エンジンオイルを多く入れすぎる
- オイル交換を怠る(または安価オイルを長期間使い続ける)
- ガソリンをギリギリまで使う、いわゆるガス欠走行
- 長期間エンジンをかけずに放置する
- エンジンが温まる前に停止する“ちょい乗り”の繰り返し
- 冷えたまま高回転まで回す急発進や空ぶかし
- 低回転走行ばかりでエンジンをサボらせる使い方
これらはすぐに症状が出ないため軽視されがちですが
確実にエンジンの寿命を縮める原因になります。
これら一つ一つ紹介していきましょう。
エンジンオイルを多く入れすぎる
「オイルは多めに入れておけば安心」と考えてしまいがちですが
実際にはオイルを規定量以上に入れることはエンジンにとって非常に危険な行為です。
オイルが多すぎると、高速で回転するクランクシャフトが
オイルを叩いて泡立たせる「オイル叩き」という現象が起こります。
オイルが泡立つと油圧が安定せず
必要な場所に十分なオイルが届かなくなるのです。
その結果、潤滑が不十分になり
金属同士が直接擦れ合う状態が発生します。
こうした状況が続くと摩耗が進み
最悪の場合は焼き付きへ直結してしまうでしょう。
さらに深刻なのが「オイルハンマー」と呼ばれるトラブルです。
過剰なオイルがシリンダー内部へ入り込むと、ピストンが本来行うべき圧縮ができなくなり
ピストンとクランクシャフトをつなぐコンロッドが曲がってしまうことがあります。
コンロッドが変形するとエンジンブロックに穴が開く「エンジンブロー」へ発展し
エンジン全体の交換が必要になるほどの重大な故障につながってしまうのです。
オイル交換を怠る(または安価オイルを長期間使い続ける)
エンジンオイルは「エンジンの血液」と呼ばれるほど重要な存在です。
オイル交換を怠れば
エンジンの寿命は確実に縮まってしまいます。
オイルは使用するにつれて徐々に劣化し
粘度が低下して潤滑性能が落ちていくのです。
さらに燃えカスであるスラッジが
蓄積しオイルの通り道が詰まりやすくなります。
また酸化が進むことで腐食性が増し
金属部品を傷める原因にもなるかもしれません。
こうした劣化したオイルのままエンジンを回し続けると
金属同士が直接擦れ合って傷が発生します。
加えてスラッジがオイルポンプの働きを弱め
最終的には油膜が切れることでエンジンブローに直結する危険性があるのです。
安価なオイルを長期間使い続けることも同様にリスクが高く
結果的にエンジンへ大きな負担を与えることになります。
ガソリンをギリギリまで使う、いわゆるガス欠走行
警告灯が点いてから給油すれば
問題ないと考えている方は注意が必要です。
ガソリンを限界まで使い切る習慣は
エンジンだけでなく燃料系統全体に負担をかける原因になります。
燃料タンク内にある燃料ポンプは
ガソリンに浸かることで冷却と潤滑が行われています。
しかし、ガソリンが少ない状態が続くと、ポンプが十分に冷却されず
潤滑不足によって摩耗が進み、最悪の場合は焼損する恐れも考えられるでしょう。
燃料ポンプの交換には車種によって
五万円から十五万円ほどかかるため軽視できません。
さらに、ガソリンが少ないとタンク底に沈殿した汚れやゴミを吸い上げやすくなり
燃料ラインに不純物が流れ込むリスクが高まります。
加えて燃料が不足した状態では空気が混入しやすくなり
エンジンの不調や始動性の悪化につながる可能性もあります。
このように、ガソリンをギリギリまで使う行為は見えないところで
確実にダメージを蓄積させるため、早めの給油を心がけることが大切です。
長期間エンジンをかけずに放置する
仕事が忙しく週末しか車に乗らないなどセカンドカーをガレージに置きっぱなしにしている状況は
エンジンにとって非常に過酷な環境です。
長期間エンジンをかけないまま放置すると
オイルがすべてオイルパンへ落ちてしまいます。
この状態で始動すると、潤滑油膜が切れたまま動き始めるドライスタートとなり
金属同士が直接擦れ合うことで大きな負担がかかります。
エンジンが最もダメージを受けるのは始動時であり、とくにドライスタートでは
ピストンとシリンダーが直接触れ合い、カムシャフトとバルブリフターの摩耗が進み
さらにベアリング部分にもダメージが蓄積していくのです。
加えて、ガソリンは生鮮食品と同じように時間とともに
劣化する性質があるため、長期間の放置は燃料面でも悪影響を及ぼします。
エンジンが温まる前に停止するちょい乗りの繰り返し
コンビニまで五分、駅まで十分といった短距離の移動ばかりを繰り返す使い方は
実はエンジンにとって負担が大きい走り方です。
エンジンが十分に温まる前に停止するいわゆる「ちょい乗り」は
結果的にエンジン寿命を大きく縮めてしまいます。
冷えた状態のエンジンでは燃焼が不完全になり
必要な温度に達していないため未燃焼ガスが発生し燃焼室にカーボンが蓄積します。
吸気バルブや排気バルブにカーボンが付着すると圧縮比が変化し
ノッキングや出力低下を引き起こす原因になる可能性もあるのです。
さらに、エンジンが温まりきらないまま走行を終えると
燃焼時に発生した水分が蒸発しきれずオイルに混ざり込みます。
これがオイルの乳化、つまり白濁を招き、潤滑性能の大幅な低下や内部の腐食を進めるほか
オイル交換のサイクルが短くなるなどの不具合につながってしまう危険もあるのです。
オイルレベルゲージを抜いた際にクリーム色になっていれば
乳化が進んでいるサインです。
また、マフラー内部にも水分が溜まりやすくなり
腐食の進行や排気系のトラブルを誘発する要因にもなります。
短距離走行の繰り返しは見えない部分で
確実にダメージを蓄積するため、注意が必要です。
冷えたまま高回転まで回す急発進や空ぶかし
エンジンをかけた直後に空ぶかしをする行為は
エンジンに深刻なダメージを与える原因になります。
冷えている状態のエンジンではオイルの粘度が高く流れが悪いため
エンジン全体に行き渡るまで数十秒かかり、油圧が安定するまで時間が必要です。
この不十分な潤滑状態のまま高回転にすると
金属部品が高速で動くことで摩耗が急速に進みます。
具体的には、ピストンとシリンダーの摩耗が加速し
バルブとバルブシートの損傷が起こりやすくなり
ターボ車ではターボチャージャーの軸受けにもダメージが蓄積します。
かつては「エンジンをかけたらしばらくアイドリングで暖機する」のが常識でしたが
現代の車ではむしろ逆効果です。
アイドリング中は回転が低く油圧が十分に上がらないため
エンジンに適度な負荷がかからず温まりにくい状態になります。
さらに、燃料の無駄な消費や排気ガスの増加につながるだけで
特に寒冷地ではアイドリングだけでは適温まで到達しません。
そのため、暖機は走行しながら行う「走行暖機」が
最も効率的でエンジンにも優しい方法と言えます。
エンジンを労わるためには、始動後は三十秒から一分ほど待って油圧を安定させ
ゆっくり発進し、五分から十分ほどは二千回転以下の穏やかな加速を心がけましょう。
そして水温計が正常範囲に入ったら
通常走行に移ることが大切です。
低回転走行ばかりでエンジンをサボらせる使い方
エコ運転を意識するあまり
常に低回転だけで走行するケースがあります。
しかし、低回転走行ばかりではエンジンが
本来備えている自己清掃機能が働かず内部に汚れが溜まりやすくなるのです。
エンジンはある程度の高温と排気圧によって内部を自浄する構造ですが
低回転ばかりだと燃焼温度が上がらず排気圧も弱いため、燃焼室にカーボンや煤が蓄積します。
特にディーゼルエンジンでは、DPF(排気微粒子フィルター)の再生が不十分になり
警告灯が点灯することもあるでしょう。
さらに、吸気バルブや排気バルブにカーボンが付着すると
バルブの開閉が不完全になり、アイドリングが不安定になりやすく
失火が発生するほか、出力低下や燃費悪化につながります。
直噴エンジンは構造上、吸気バルブにガソリンがかからないため
特にカーボンが蓄積しやすい傾向があります。
海外では「Italian Tune-Up(イタリアンチューンアップ)」と呼ばれる昔ながらの手法があり
定期的に高回転で走行してエンジン内部のカーボンを焼き切るという考え方です。
現代の車でもこの方法は有効とされています。
これらを踏まえ、月に一度は高速道路などで三千?四千回転を十分ほど維持し
安全な場所で適度にアクセルを踏み込みエンジンが持つ回転域をバランスよく使うことが大切です。
ディーゼル車の場合は、DPF再生走行を意識することも欠かせません。
まとめ
エンジンを大切にしようとして回転を抑えすぎる使い方は、一見正しいようでいて
実はエンジン内部に汚れや負荷を蓄積させる原因になります。
低回転ばかりでは燃焼が不完全になり、カーボンが溜まって高回転域で力が出なくなるほか
各部の「あたり」がつかずエンジンが回りにくくなることもあるのです。
さらに、オイル管理の不備、ガソリンの使い切り、長期間の放置、ちょい乗りの繰り返し
冷えたままの急加速など、寿命を縮める使い方は「すぐに壊れない」ため気づきにくく
知らないうちにダメージが蓄積していきます。
エンジンを長く良い状態で保つには、適切なオイル管理と早めの給油、十分な暖機
そして時には高回転域を使って自己清掃機能を働かせることが欠かせません。
エコ運転も大切ですが、エンジンが持つ性能を適度に使ってあげることこそ
結果的に寿命を延ばす最良のメンテナンスと言えるでしょう。
