電子サイドミラーを後付けすると車検は通るのか?メリット・デメリットも紹介
ドアミラーの進化は、フェンダーミラーからドアミラーになり
ドアミラーからウインカーミラーなどに進化を遂げました。
もちろん、これらの進化に伴い不満や批判などは
かなりあったように思えます。
電子サイドミラーも近年ではメーカーが標準装備にする車種も出てきてはいますが
日本車ではレクサスとホンダそれぞれ、1車種ずつしか選べないのが現状です。
本記事では、電子サイドミラーを後付けする場合は
車検に通るのかや電子サイドミラーのメリットやデメリットなども紹介していきます。
Contents
電子サイドミラーとは
電子サイドミラーとは簡単に言えば
ドアミラーの代わりにカメラとモニターを使用し
両サイドの安全確認をするためのパーツです。
電子サイドミラーは電子ミラー、電子ドアミラー、デジタルサイドミラーとも呼ばれていますが
本記事では「電子サイドミラー」と呼ばせていただきます。
電子サイドミラーの定義と特徴
電子サイドミラーの定義は
カメラとモニターを使用し両サイドの安全確認ができれば
それは電子サイドミラーと言っても良いでしょう。
電子サイドカメラは普通のミラーで見えない部分を
映し出すことができるという特徴があります。
さらに、雨が降っているときなども
水滴で後方確認がしづらいということもありません。
確かに、モニター画面が映らなくなるというトラブルが気になるところですが
後付け電子サイドミラーの場合は、すぐにでも鏡のドアミラーで確認できるので問題はありません。
従来のサイドミラーとの違い
従来のサイドミラーとの違いは
サイドミラーは鏡で後方確認をするのに対し
電子サイドミラーはモニターで確認をします。
ただ、電子サイドミラーの場合は何らかの原因で
モニターが映らないトラブルを不安に感じる人が多いのです。
従来のサイドミラーと電子サイドミラーでは
後続車の距離感のつかみやすさが違います。
たとえば、斜め後ろにいる車を確認する場合でも
電子サイドミラーのほうが距離感をつかみやすいという場合もあるのです。
老眼の人が電子サイドミラーを使用する場合は
即ピントが合わない場合があります。
従来の鏡式のサイドミラーよりも
慣れが必要になるでしょう。
逆に、老眼の方は追い抜いていく後続車との距離感や
スピード感をつかみにくいということも挙げられます。
電子サイドミラーと車検の関係性
電子サイドミラーの後付けに関して
車検と深い関係があります。
たとえば、蝦眼(エビアイ)の電子サイドミラーを例にすると
製品は保安基準に低号していますが
配線は必ず車体外側の表面に露出しないようにという注意書きがあるのです。
つまり、カメラの配線がバンパーや後写鏡などを含む
車の外側の表面上で確認できるものは保安基準に適合しません。
電子サイドミラーを後付けして車検は通る?
電子サイドミラーの後付けに関しては
後方等確認装置に該当するので車検に通ります。
検査官の判断によりサイドカメラの取り付けが
車検不適合と言う場合は
- 「自動車技術総合機構からのお知らせ」
- 「道路運送車両の保安基準第2条(長さ、幅及び高さ)」
などの資料を検査官に見せると良いと
蝦眼(エビアイ)の公式サイトには記載していました。
サイドミラーについての保安基準最新情報
保安基準として適合しないものの例としては
自動車用部品取り付けを目的にしていない粘着テープ類の使用です。
多くの電子サイドミラーのカメラ取付に関しては
自動車に取り付ける目的で設計された粘着テープが採用されています。
なので、この辺に関してはDIYで取り付けるとしても
全く問題はないといえます。
特殊な例で言えば、オークションで買って両面テープが付属していない場合に
ロープ類や針金などで固定するのは保安基準に適合しなくなるので要注意です。
さらに、カメラの配線に関してはバンパーや後写鏡などを含めた
自動車の外側の表面上で確認できる場合は保安基準に適合しなくなります。
DIY初心者の場合は、配線が車体表面に露出させてしまう可能性もあるので
カメラ設置をする場合は、配線のこともよく考えて取り付ける必要があるでしょうね。
蝦眼(エビアイ)の電子サイドミラーを例にして説明すれば
カメラの配線は薄いフラットケーブルをっ採用しているため
カメラから出る配線は車体外側の表面に露出されにくくなっています。
そのまま、フロントフェンダーとフロントドアの開閉jj部分の隙間から
車内に配線を入れることができるので、車検適合になるのです。
カメラは突起物取付け後の車体全幅が増えるから車検不適合では?
従来までは、車体全幅の増加がプラスマイナス2センチと
保安基準で定められていました。
ですが2020年12月からは、以下のような基準に変更されています。
保安基準道路運送車両の保安基準第2条(長さ、幅及び高さ)の2の二に
「後写鏡及び後方等確認装置(自動車の外側線付近及び後方の状況の画像を撮影し、運転者席において確認できる位置に備えられた当該画像を表示する装置をいう。) 自動車の最外側から250ミリメートル未満」の突出量の範囲内
つまり、突出できる幅が広がったため
カメラ取付に関しても法律的には問題がないということです。
モニター設置の位置も保安基準で定められているので要注意!
電子サイドミラーを取り付ける場合は
モニターの設置位置にも注意が必要です。
モニターの設置位置によっては
車検不適合と検査官に判断されてしまいます。
基本的に、運転手の安全運転の妨げにならないように
視界を確保する必要があります。
「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第183条」または「前方視界基準」で定められている
「車から2メートル先にある、高さ1メートル・直径30センチメートルの円柱の少なくとも一部が、鏡などを用いずに直接確認できること」
というのは守られていなければいけません。
モニター設置位置に関しては、電子サイドミラーを開発したメーカーが定めている場所に
モニターを設置すれば問題はないといえるでしょう。
電子サイドミラーのメリット
電子サイドミラーには、色々なメリットがあります。
メリットに関しては
以下の通りです。
- 視野の拡大
- 悪天候時の対応力
- カメラの角度やズームを調整することができる
それでは、一つ一つ紹介していきましょう。
視野の拡大
従来のサイドミラーは見える部分が限られていて
必ず死角と言うものが出てきます。
車の死角とは、運転席からサイドミラーでは確認できない部分のことです。
電子サイドミラーの場合は
この死角の範囲が小さくなり視野が広がるという家事になります。
悪天候時の対応力
電子サイドミラーを使用することで
悪天候時でも後方確認がやりやすいです。
従来のサイドミラーの場合は
鏡に水滴が付着したり窓ガラスに水滴が付着して
サイドミラーが見えにくいこともありますね。
確かに、窓ガラスをコーティングして
綺麗にしていれば見やすいという意見もあるかもしれません。
しかし、窓ガラスの水滴を吹き飛ばすには
ある程度の速度が必要になるのです。
その結果、速度違反になる可能性もありますし
他の安全に注意がいかない場合もある。
そう考えると、電子サイドミラーは
悪天候でも安全に運転できるということになります。
カメラの角度やズームを調整することができる
電子サイドミラーの製品によっては
カメラ自体を動かすことができます。
その結果、角度やズーム調整が可能となり
さらに見やすくなるというわけです。
従来のサイドミラーの場合は
角度調整が可能であっても鏡なのでズームは不可能です。
もし、視野を拡大したいという場合は
鏡ごと交換してワイドミラーにするしかないでしょう。
電子サイドミラーの場合は
角度調整やズームができるので交換の必要はありません。
電子サイドミラーのデメリット
電子サイドミラーのメリットを
紹介してきましたがデメリットがないわけではありません。
電子サイドミラーのデメリットについては
以下の通りです。
- 価格の高さ
- 取り付けとメンテナンスの注意点
- 故障する可能性がある
それでは、一つ一つ紹介していきましょう。
値段の高さ
電子サイドミラーはモニターの値段も入るため
1万円はどうしても軽く超えることが多いです。
最低でも12000円くらいで、楽天市場で販売されていました。
もっと上を見ると4万円と言う製品もありましたが
基本的に10000円は超えるものと思ったほうが良いかもしれません。
故障する可能性がある
電子サイドミラーはカメラとモニターを使用するので
故障するというリスクもあります。
「蝦眼(エビアイ)」「MAXWIN」などの
有名なメーカーを選んでおけば間違いありませんが
聞いたことがないメーカーの場合は故障する可能性もあります。
電子サイドミラーを後付けした場合は
標準でついていたサイドミラーは取り外さないようにしましょう。
万が一故障をした時は
標準のサイドミラーを利用するしかありません。
電子サイドミラーの選び方
電子サイドミラーでも色々なメーカーから出ているので
何を選べば良いのか気になるかもしれません。
基本的に、名の知れているメーカー製の
電子サイドミラーなら間違いは、ほぼないでしょう。
さらに、カメラの調整ができるという部分も
重視して選びたいところです。
次は、電子サイドミラーの選び方について
お伝えしていきます。
主要メーカーの比較
筆者の知る限りでは電子サイドミラーで有名なメーカーは
「蝦眼(エビアイ)」「MAXWIN」くらいしか知りません。
ただ、本記事で紹介しているメーカー以外も
様々な特徴があるのでしっかり調べて比較することが重要でしょう。
MAXWINの製品は映像がくっきり映るので
映像を重視して選びたい方に向いていると思われます。
カメラも小型なので
外観のデザインも損ないにくいといえるでしょう。
蝦眼(エビアイ)のほうは
ズーム機能があるので視野幅を広げることも可能です。
さらに、外の明るさを自動で検出し
画面の明るさを自動調整します。
メーカーによっても違いがありますが
いずれにしても、視認性は高いのは間違いありません。
機能と値段
電子サイドミラーを選ぶ場合は
機能や値段に関しても重要な点だといえます。
確かに、安い値段で多機能な電子サイドミラーは
ほしい所ですが、そういう都合の良い製品はないと思ったほうが良いでしょう。
あなたが欲しい機能があるかどうかを
しっかりと調べて予算に見合った値段の
電子サイドミラーを選ぶようにしたほうが良いかもしれません。
保証とアフターサービス
電子サイドミラーを選ぶ場合は保証期間はどれくらいかとか
アフターサービスはどういう内容となっているかも知っておいたほうが良いでしょう。
たとえば、保証期間が1年くらいはあったほうが
安心できるかもしれません。
蝦眼(エビアイ)の場合は、正常な使用状況で故障をした場合は
製品を買った日から1年以内なら同等部品と交換が可能なようです。
MAXWINも同じく保証期間は、1年となっていました。
電子サイドミラーは自分で取り付けることは可能?
電子サイドミラーは、自分で取り付けることは可能です。
ただ、車の内張をはがすことができて
車の配線ができる人の見に限ります。
車に関して知識がない人や
初めて車に電子部品の取り付けに挑戦するという場合は
自分で取り付けはしないほうが良いかもしれません。
もし、自分で取り付けるという場合は
必要な知識を得てから作業に取り掛かったほうが良いでしょう。
つまり、車に電子部品の取り付け経験が少なすぎる場合は
自分で取り付けないほうが良いということになります。
DIYでの取り付ける場合の注意点
DIYで取り付ける場合は
法律に基づいた取り付け方をしましょう。
たとえば、カメラ周辺の表面に配線が露出するという場合は
車検に通らない可能性があるので要注意です。
さらに、ショートさせないように
取り付け作業を開始するのも重要だといえるでしょう。
配線のつけま違いは
思わぬトラブルを生むので注意が必要です。
プロに依頼したほうが良い場合とは?
取り付け作業をプロに任したほうが良い場合は
「知識がない」と言うケースでしょう。
知識がない状態のまま作業をすると
思わぬトラブルが発生する可能性もあります。
たとえば、配線がしっかりと結線出来ていない場合は
ショートして火が出る可能性があるでしょう。
なので、取り付ける自信がない場合は
プロに任せたほうが無難だといえますね。
電子サイドミラーが普及しない理由
「こんな便利なものをなぜメーカーが採用しないのか?」と
あなたは疑問に感じませんか?
現在、電子サイドミラーを採用している国産の車種は
以下の通りです。
- レクサス ES
- ホンダe
以上の2車種のみ。標準で電子サイドミラーが取り付けられていますね。
ですが、それ以上に電子サイドミラーが普及しないのかと言うのには理由があり
デメリットとしては車内モニターが後付けっぽく見えてしまうからだといえます。
さらに、モニターの画質が悪いというのも
理由の一つかもしれません。
また、モニター越しから見るとLEDなどのライトが
チラチラすることや、車の後方からの日差しにより
カメラが逆光を受ける形になるというのも普及しない理由でしょう。
従来のサイドミラーでも日差しの逆光をうけることがありますが
鏡全体が見えなくなることはありません。
ですが、モニターの場合は逆光を受けると
画面全体が見えなくなる可能性もあるのです。
そういうことを考えると
電子サイドミラーの普及は現在の技術では
普及しないといえるでしょう。
まとめ
電子サイドミラーを取り付けることは
安全面においてもメリットが大きいといえます。
しかし、デメリットをしっかりと理解したうえで
電子サイドミラーを自分の車に取り付けるようにしないと後悔するでしょうね。
電子サイドミラーを自分で取り付ける場合も
保安基準について知っておくべきことがあるので
よく理解したうえで取り付け作業をしたほうが良いかもしれません。