エンジンオイルのグレードとは?注意すべきことはあるのか検証
エンジンオイルとは、エンジンを良好な状態に保つために
非常に重要なものです。
そんなエンジンオイルにはグレードと言うものが定められており
グレードは車のエンジンによって決められています。
エンジンオイル選びにおいて
グレードも重要なのです。
本記事では、エンジンオイルのグレードに関して屋
注意すべきことなどを紹介していきます。
Contents
エンジンオイルのグレードとは?
エンジンオイルのグレードというのは
品質をア表す規格を意味しています。
エンジンオイルのグレードは市場二で回るエンジンオイルを
一定の品質に保つために存在しているのです。
ただ、国や地域によって複数の規格があって
その規格ごとに重視している性能も違いがあります。
一般的に、エンジンオイルのグレードは
以下のような種類があります。
- API規格
- ILSAC規格
- ACEA規格
- JASO規格
それでは、一つ一つ紹介していきましょう。
API規格
API規格は「American Petroleum institute」が規定しているグレードで
ガソリンエンジンオイルの場合は頭に「S」がつきます。
ディーゼルエンジン用のオイルには
「C」がつくのです。
それらの文字の後ろには、アルファベットがAから順に
大きくなるにつれて最新の車に適応しているグレードと言うことになります。
筆者の愛車であるデミオ(DJ3FS)の場合は
「SN」と言うグレードのエンジンオイルが推奨されています。
自動車メーカーが作成した時期の取扱説明書なので
その年の最新のグレードだったのかもしれませんね。
筆者もエンジンオイルを定期的に交換しますが
グレードは「SP」を選んでいます。
一般的に使用されているエンジンオイルは
「SL」「SM」「SN」「SP」と言う感じですね。
2025年1月現在では、SPと言うグレードが最新のようです。
「SQ」と言うエンジンオイルも開発されているようですが
まだ市販される段階ではなさそうです。
ILSAC規格
ILSAC規格は「International Lubricant Standardization and Approval Committee」(国際潤滑油標準化認証委員会)が
ガソリンエンジン向けに規定している規格のことです。
エンジンの小型高出力化と省エネの両立のために
日米の自動車メーカーが共同で制定したものとなっています。
従来では「GF-1」「GF-2」「GF-3」「GF-4」「GF-5」などのグレードが
使用されてきましたが、2020年5月から新たに「GF-6」が市販化されたのです。
「GF-6」の特徴は燃費向上に加えて
エンジンを長時間稼働させても粘度変化が起こりにくいことです。
ACEA規格
ACEAは「Association des Constructeurs Europeens d’Automobiles」(欧州自動車工業会)が
規定した規格です。
BMWやフォルクスワーゲンなど
欧州車メーカー15社が共同で創設した規格です。
ACEA規格はドイツにあるアウトバーンのような高速道路で
長距離走行でも耐えられるように省燃費性能以上に耐久性が重視されています。
ACEA規格には、以下のようなカテゴリーがあります。
- ガソリンエンジン用:Aカテゴリー
- 軽負荷ディーゼルエンジン用:Bカテゴリー
- クリーンディーゼル用:Cカテゴリー
- 高負荷ディーゼルエンジン用:Eカテゴリー
以上のような4つのカテゴリーに分けられているのです。
他の規格が古いグレードを順番に廃止しているのに対し
ACEA規格はそれぞれに対象となるエンジンが明示されていて
数年ごとにそれぞれの規格自体が更新されるようになっています。
JASO規格
JASOは、日本の自動車技術会(JSAE)の
自動車規格組織(Japanese Automobile Standards Organization)が制定しています。
自動車などや関連部品にかかわる規格で
主にバイクや4サイクルエンジンオイルに使用されているのです。
表記は「MA」「MA1」「MA2」「MB」と言う感じで
グレードが分類されています。
これらはエンジンオイルの特性を表していて
アルファベットによって優劣があるわけではありません。
ディーゼル車のうち普通自動車や小型トラックのような
軽負荷ディーゼルエンジンには「DL-1」と言う規格があります。
中型や大型トラックなどのような
高付加ディーゼルエンジンの場合は「DH-2」という規格も制定されているようです。
SPとSNの違い(API規格)とは?
エンジンオイルのグレードのなかに
SPとSNがあります。
API規格の中でも最新のSPは
10年ぶりとなる2020年に制定されたグレードのエンジンオイルなのです。
エンジンオイルは、その時代の車に応じた最適な改良が施され
進化を経て制定されるのです。
SPとSNの大きな違いは
- LSPI対策
- 耐チェーン摩耗
などがあげられます。
LSPIというのは、エンジン内部で本来は点火と燃焼擦るタイミングよりも
意図しないタイミングで燃焼してしまう現象を言います。
最近の新型車は直噴型エンジン、およびダウンサイジングターボエンジンが主流で
特に発生する可能性がある現象と言えるでしょう。
LSPIと言う現象はエンジンにとって
深刻なものであり最悪の場合はエンジンが壊れてしまう場合もあります。
こうしたことが起きないように予防するため
エンジンオイルにはLSPI対策を施せる機能が必要なのです。
SNとSPの違いは、以上のような違いのほかにも
以下のようなものもあります。
- SN規格における基本性能の強化
- 使用時の省燃費性能維持の強化
- これまでなかった低粘度オイルの本格制定
エンジンオイルのグレードで注意すべきポイント
ここまで、最新のエンジンオイルと旧タイプのエンジンオイルの違いを
紹介しました。
ですが、必ずしも最新のエンジンオイルが
エンジンにとって良い効果を与えるとは限りません。
たとえば、旧車に最新エンジンオイルのグレードで
粘度の低いタイプを使用するとエンジンにダメージを与えてしまいます。
筆者は無知なオートバックスのバイト店員に
勧められるがままに使用した結果、エンジンから異音が発生したという経験があります。
1980年代に販売されていた車に、SPのグレードなど
低粘度のエンジンオイルを使用するというのは本当にやめたほうが良いです。
カー用品店の無知な店員に勧められて使用し
エンジンから異音が発生したとしても
バイト店員は知らん顔するでしょう。
なので、旧車には最新のエンジンオイルは
誰が勧めてきたとしても使用しないほうが良いといえます。
高いエンジンオイルと安いエンジンオイルの違いはある?
エンジンオイルは同じ粘土で同じグレードでも
販売価格が全く違う場合があります。
エンジンオイルはベースオイルと添加剤で構成されており
それらの種類によってもオイル性能の良し悪しに違いが出てきます。
確かに値段が高いエンジンオイルは性能的にも優れているのですが
安いオイルを使用したからと言ってすぐにエンジンが壊れるということはありません。
重要なのはエンジンに適したグレードや規格、粘度などです。
安いオイルをこまめに替えるのか高いオイルを長く使うのかどっちが最適?
値段や環境の問題を考えるなら
高いエンジンオイルを2年に1回交換したほうがお得なのは明白です。
筆者の個人的な考えではありますが
エンジンオイルとは使用しているたびに劣化していきます。
エンジンオイルに備わる基本的な機能は
2年間使用する中で、著しく低下していくのです。
そんな中で、ゴムの劣化を促進させ
エンジン内部はスラッジで汚れてしまう。
スラッジとは、エンジン内部にたまった
燃えカスのことを言います。
値段よりもエンジン性能の維持を考えるなら
筆者はコスパが悪くても安いエンジンオイルを
こまめに交換するでしょう。
値段を重視するというなら
国産車なら10年以上無交換でも故障はないと思います。
しかし筆者としては、そんな車を買取業者に売らず
必ずスクラップにしてほしいんですよね。
やっぱり、中古車として迎えるなら
しっかりとエンジンオイルを交換した車のほうが気持ちいい。
しかし、高いエンジンオイルを2年使用して
エンジン性能が明らかに低下し加速が悪くなっても気づかない人は多いです。
そういう人なら、高いエンジンオイルを2年周期で
オイルフィルターと同時交換も悪くないのかもしれません。
エンジンを大切にしたいというなら
安いエンジンオイルをこまめに交換したほうが良いでしょうね。
エンジンオイルはいつ交換するのが良い?
筆者の場合は5000キロで
エンジンオイルは交換しています。
1万キロでエンジンオイルと
オイルフィルターの交換ですね。
筆者はこうした交換サイクルが良いとかは言いませんし
人に筆者の交換サイクルを押し付けようとも思いません。
もちろん、お好きなように。
ただ「エンジンオイルはいつ交換したほうが良い?」と聞かれれば
メーカー指定のシビアコンディションがベストだと答えるでしょう。
メーカーが指定しているんですから
説得力がありますからね。
ただ、通常コンディションの1万キロや2万キロで
エンジンオイルの交換は、あまりお勧めしたくありません。
理由としては、エンジンオイルの消費量がデタラメに多くなりますし
オイル漏れが発生する可能性も高くなるから。
高いエンジンオイルは「酸化しにくい」というだけで
酸化しないとは誰も言ってません。
なので、値段が高いエンジンオイルでも2年間使用し続ければ
劣化しますし酸化したオイルがシール類を痛める可能性も否定できません。
勘違いしている人は非常に多いかもしれませんが
高いエンジンオイルだから酸化や劣化しないわけではないのです。
エンジンオイルを長年交換しない場合は
- エンジントラブルの原因
- エンジン破損の原因
- 燃費の悪化
- 排ガスの汚染
- 車両寿命の短命化
などのデメリットしかありません。
このようなトラブルが起きるようになれば
長年交換しないほうがお得なのかどうかは明白だといえますね。
まとめ
エンジンオイルはグレードがあり
SNよりもSPのほうが新しいオイルと言う事でした。
値段が高いエンジンオイルは長期間交換しなくても良いタイプが多く
オイル自体も酸化しにくいタイプが多いのが特徴です。
しかし、値段が高いエンジンオイルだからと言って
常に新品オイルと同じ条件で2年間使用し続けられるわけではありません。
2年使用したような高いエンジンオイルは
新品の安物オイルよりも性能が低下している可能性が高いです。
そうなると、シール類を痛めたり燃えカスのスラッジが増殖したりして
徐々にエンジン性能が悪くなっていくのでしょうね。
どっちが良いのかと言えば、筆者的には安いエンジンオイルを
5千キロごとに交換したほうが良いと思ってます。